PVDコーティングによるバイポーラープレートの性能向上

近年、クリーンエネルギーへの転換が世界的に進む中で、燃料電池や電解槽は次世代のエネルギーシステムとして注目されています。その中核を担う重要な部品の一つがバイポーラープレート(BPP)です。

しかし、バイポーラープレートは耐食性・導電性・耐摩耗性といった特性が求められ、従来の材料では長寿命化や性能向上が課題とされてきました。そこで、近年急速に発展しているのが、PVD(物理蒸着)コーティングによる表面処理技術です。

PVDコーティングがバイポーラープレートの性能をどのように向上させるのかについてご紹介します。

バイポーラープレートの課題

バイポーラープレートには、主にステンレス鋼、チタン、グラファイトなどの素材が使用されていますが、どの材料にも以下のような課題があります。
 
  • 腐食の問題:燃料電池内は高温・高湿度の過酷な環境であり、金属プレートは腐食しやすい
  • 導電性の確保:酸化膜が形成されると、電気抵抗が増加し、燃料電池の効率が低下機械的
  • 耐久性:長期間の運用で摩耗や表面劣化が進行

これらの課題を解決する技術として、PVDコーティングが注目されています。

バイポーラープレート向けのPVDコーティング技術

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コーティング種類
特徴
適用例
DLC(ダイヤモンドライクカーボン) 高耐食性・低摩擦・高導電性 ステンレス鋼BPP
TiN(窒化チタン) 優れた耐摩耗性・耐酸化性 チタンBPP
CrN(窒化クロム)
高耐食性・優れた密着性
ステンレス・チタンBPP
金属カーボン複合膜 高い導電性と耐久性 次世代BPP向け
Pt(プラチナ) 最高の耐食性・高導電性・高安定性 高性能燃料電池用BPP
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PVDコーティングがもたらすメリット

1. 耐食性の向上 → 長寿命化

PVDコーティングを施すことで、金属プレートの表面に耐食性の高いバリア層を形成し、酸や湿度による腐食を防ぎます。これにより、燃料電池の耐久性が飛躍的に向上します。

2. 高導電性 → エネルギー効率の向上

燃料電池の効率を最大化するためには、低い接触抵抗が不可欠です。PVDコーティングにより、酸化膜の発生を抑え、電流伝導率を向上させることができます。


3. 耐摩耗性・機械的強度の向上

長期間の使用により、バイポーラープレートの表面は摩耗や損傷を受けることがあります。PVDコーティングは、摩耗を防ぎ、安定した性能を維持するための強化膜として機能します。


4. 環境負荷の低減

PVD技術は、有害な化学薬品を使用せず、持続可能な製造が可能です。燃料電池のライフサイクル全体において、環境負荷の低いプロセスとして注目されています。

PVT社とは?

PVT社は、燃料電池および水電解装置向けの高性能PVDコーティングを開発・提供する世界的なリーダー企業です。30年以上にわたり、PVD技術の研究と装置開発を続けており、特に水素経済向けの高度なコーティング技術に強みを持っています。

PVTの特徴:

  • 高性能コーティング技術:
    Pt(プラチナ)やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの先進コーティングを提供。

  • 高生産性のコーティングプロセス:
    大量生産に適した高効率のPVDプロセスを開発。

  • インラインコーティングシステムの設計・製造:
    大規模な産業用途にも対応可能な自動化システムを構築。

先進のHiPIMS技術による均一で密着性の高い薄膜形成

PVT社のPVD装置は、HiPIMS(High Power Impulse Magnetron Sputtering)と呼ばれる最先端のスパッタリング技術を採用しています。従来のPVD技術と比べて、以下の点で優れた特性を持っています。

  • 高密度:密度の高い成膜が可能で、耐食性・電気特性に優れる薄膜が得られる。
  • 高密着性:基材との結合力が強く、剥がれにくい
  • 均一な膜厚:複雑な形状の部品でも均一なコーティングが可能

これにより、PVT社のPVD装置は、高品質な薄膜を安定して形成できます。

燃料電池・水電解装置向けの最先端コーティング技術

1. Ptコーティング(プラチナ)

Ptコーティングは、燃料電池の電極や水電解装置の電極に適用される重要なコーティング技術です。プラチナは優れた耐食性と高い導電性を持つため、特に高性能燃料電池やPEMFC(固体高分子形燃料電池)などの用途に適しています。PVTのPVD技術により、Ptの使用量を抑えながらも高い触媒活性と耐久性を実現し、コスト削減と性能向上を両立します。

2. DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティング

DLCコーティングは、バイポーラープレートの表面に適用されることで、耐腐食性と電気伝導性を向上させます。特に燃料電池向けのステンレス製バイポーラープレートでは、DLCコーティングによって長寿命化が図られ、メンテナンスコストの削減にも貢献します。

3. 金属窒化物膜

「金属窒化物膜」(Metal Nitride Coatings)は、TiN(窒化チタン)やCrN(窒化クロム)などの材料をベースとし、バイポーラープレートに優れた耐食性、導電性、機械的強度を付与します。特に、燃料電池の長寿命化と安定した動作に貢献するため、幅広い用途で採用されています。

PVT社の最新インラインPVD装置

PVTは、大規模な量産に対応可能なインラインPVDコーティングシステム「i-L 3.5000」を開発しました。この装置は、年間200万枚以上のバイポーラープレートを処理できる高い生産能力を誇り、以下の特徴を備えています。
 
  • 高スループット処理:インライン方式で連続生産が可能。

  • 多層コーティング対応: Pt、DLC、TiN、CrNなどの複合コーティングが可能。

  • 環境負荷の低減: 化学薬品を使用せず、持続可能な製造プロセスを実現。

会社情報
about us

ドイツ PVT社の概要

PVT Plasma und Vakuum Technik GmbH(PVT)は、1985年に設立され、ドイツ・フランクフルト近郊のベンスハイムに本社を構える、イオンおよびプラズマ支援の真空コーティング技術の分野で世界的に高い評価を受けている企業です。

PVTの事業範囲は多岐にわたり、イオンおよびプラズマ支援の真空コーティングプロセス(PVDおよびPECVD)の開発、高性能コーティングの設計・製造、真空コーティング装置の設計・製造(バッチ式および連続インラインシステム)、および完全なターンキーコーティングセンターの構築などを手掛けています。

PVTは、切削工具産業、金型産業、自動車産業、航空宇宙産業、医療産業など、さまざまな業界の厳しい要求に応える高性能コーティングの開発において、信頼性の高いパートナーとして認識されています。
顧客の「完全な満足」を最優先とする企業理念のもと、PVTは世界中の顧客に最先端の技術とサービスを提供し続けています。

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名称
PVT Plasma und Vakuum Technik GmbH
代表者
Herbert Gabriel
住所
Rudolf-Diesel-Str. 7
64625 Bensheim Germany
電話番号
+49 6251 - 8 56 56 - 0
Website
www.PVTvacuum.de
主なサービス
プラズマ真空コーティング技術を活用した高性能薄膜およびコーティングソリューションの提供
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